大人の発達障害とは
最近、メディアなどでも取り上げられるようになった「発達障害」という障害について。今回は、「大人の発達障害」というテーマで、発達障害の概要から、ポルタで実施している、「大人の発達障害」というプログラムをご紹介します。
目次
発達障害とは
大人の発達障害とは
主な3種類
対処法・ポルタの「大人の発達障害」プログラム
発達障害とは
発達障害とは、生まれつき脳の各部位のはたらきにアンバランスさがあり、幼児の頃から行動面や情緒面で発達の遅れがみられるという特徴があります。特に、人とのかかわりや、集団行動の難しさなど、社会の中での生きづらさや困難さが生じやすい障害です。最近では、1歳半検診や、3歳児検診などが発達障害の早期発見の場となっています。
大人の発達障害とは
発達障害には様々な種類と程度があり、子供の頃から診断がおりる場合もあれば、大人になってから初めて診断がおりる場合もあります。つまり、日常生活はそれなりにこなせても、社会生活、特に就職してから人間関係や仕事などに支障をきたし、そのことをきっかけにうつ病などを二次障害として発症し、精神科を受診して初めて「発達障害」の診断がおりるというケースも増えてきているのです。
主な3種類
発達障害は主に3種類に分類されます。
①自閉スペクトラム障害(ASD)
「社会コミュニケーションの障害」と、「限定された反復的な行動」という特徴をもちます。
具体的には…
□暗黙のルールを理解するのが苦手である
□社交辞令が苦手で、言葉通りに理解してしまう
□こだわりが強い(作業の進め方、収集物、偏食など)
□ルールやマニュアルに沿った行動が得意
□専門用語に関心が高く、難しい表現を使いがち
□相手の気持ちや感情を読み取るのが苦手
□臨機応変な対応が苦手
□全体を把握するのは苦手だが、細かい点には気がつく
得意なこと
□集中力が高く、ルールや手順に厳格である
□繰り返し作業や、緻密(ちみつ)な作業が得意である
□視覚情報に強く、細かいところまで目が届く
②注意欠如・多動性障害(ADHD)
不注意、多動性、衝動性が組み合わさった障害です。
具体的には…
□片づけや整理整頓が苦手
□持ち物をすぐ失くしてしまう
□ケアレスミスが多く、気が散りやすい
□約束や時間を守ることが苦手
□自分が興味をもつことには積極的に取り組み、優先順位付けが難しい
□衝動的な発言や行動をすることがある
□好きなことに集中し過ぎ、のめり込みやすい依存傾向がある
(アルコール、薬物、買い物、ギャンブル依存など)
得意なこと
□行動力やエネルギー量が高い
□豊かな発想力、独創性がある
□興味のある分野であれば、没頭して成果を出す
□周囲の環境に対する感受性が強い
③学習障害(LD)
限局性学習症(SLD)ともいい、知的発達に遅れは無いが、読み書き計算など特定の領域が極端に苦手
具体的には
□文書を正確に読み、理解するのが難しい(読字障害:ディスレクシア)
□文字を正確に書き、筋道の立った文書を作成することが困難(書字表出障害:ディスグラフィア)
□暗算やひっ算など、数の概念を理解することが難しい(算数障害:ディスカリキュリア)
対処法
発達障害傾向のある方の中でも、その程度が周囲からみてはっきりとわかるほど強くなかったり、周囲に理解者がいなかったりした場合、幼少期に診断がおりないまま大人になる方も多くおられます。他者との違いを感じながらも、ご自身が発達障害であることにきづかないまま、悩んでおられる方もいるかもしれません。発達障害の困りごとがきっかけで、生きづらさがつのり、二次障害としてうつ病や不安障害、睡眠障害などの精神的な疾患が引き起こされる可能性もあります。そのような場合は、自分1人でなんとかしようとせず、まず身近な人や専門家、行政などに相談することで、新しい発見があるかもしれません。
ポルタの「大人の発達障害」プログラム
ポルタでは、毎週火曜日の午前中に「大人の発達障害」プログラムを実施しています。発達障害の診断のある方も無い方も、グレーゾーンの方(発達障害の傾向がある方々)もご参加いただける、オープンなプログラムです。障害理解や対処法などについて、みなさんで学びを深めています。
これまでのプログラム内容
□大人の自閉症スペクトラムのためのコミュニケーション・トレーニング
□ADHDタイプの大人のための時間管理
□認知特性
□読書会(アスペルガー、ASDなどに関する漫画)
□事例検討会
□ピアサポート相談会
□私のトリセツ
□合理的配慮のための資料作成
ポルタご利用を希望されている方は、いつでも無料で見学や体験に参加していただけます。