うつ病とは
仕事や人間関係など様々なことから憂うつな気分が続いている、楽しめていたことが楽しくないと感じる、何事にもやる気がでないと感じていませんか?もしかしてうつ病かもしれないと感じている方のための情報をご紹介します。
目次
●うつ病とは?
●うつ病の原因は?
●うつ病のサイン
●うつ病の治療法
●まとめ
●うつ病とは?
うつ病は100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査報告があり、うつ病は決して珍しい病気ではありません。罹患率は女性の方が男性よりも1.6倍ほど高いと言われています。ライフステージに応じて、妊娠や出産、更年期などと関連の深いうつ状態には注意が必要です。女性の方がうつ病の罹患率は高いですが、性別に関わらず、子どもから大人まで誰しもうつ病に罹る可能性があります。
うつ病|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)によると、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があるそうです。
アメリカ精神医学会が発行している診断マニュアルであるDSM-5によると、以下の9項目のうち、①または②のいずれかを含む5つ以上の項目の症状が2週間以上継続されている場合にはうつ病である可能性が高いです。
①抑うつ的な気分がある
②興味関心・喜びの感情が目立って少なくなる
③急激に痩せる・太る/食べない・過食する
④眠れない/眠りすぎる
⑤気持ちが落ち着かずに行動し続ける/気持ちも体も動かせない
⑥疲れがやすい、やる気が出ない
⑦自分には価値がないと感じる
⑧落ち着いて考えられない/決められない
⑨死にたいと思う
ただし、これらの項目に当てはまればうつ病として診断できるというものではありません。上記の診断基準以外にも様々な観点から診断が下され、治療が必要と判断されれば治療を開始することになります。自己判断で納得するのではなく、気分の落ち込みやこれまでのように日々の活動が楽しめないなど様々な症状を感じている方は、一度精神科や心療内科を受診してみるとよいかもしれません。
●うつ病の原因は?
うつ病発症の原因は今のところはっきりとしたことはわかっていません。様々な説がありますが、感情や意欲に関連する脳の働きに不調が生じていると考えられます。うつ病の背景には、いじめやパワハラなどつらいできごとが指摘されることが多いですが、結婚や就職、引っ越しなど必ずしもつらいできごとではないことの後に発症することもあります。
●うつ病のサイン
うつ病のサインとしてみられるものでは、以下のようなものがあります。
・表情が暗い
・自分を責めてばかりいる
・涙もろくなった
・反応が遅い
・イライラや不安の感情のコントロールが効かないことがある
・落ち着かない
・飲酒量が増える
・体が重くて朝がつらい
・朝起きることがつらい、会社や学校にいけない
・やらないといけないことが手につかない、あるいはできない
・考え事をしていることが多く、ネガティブなことが頭から離れない
・自分が生きていることや生活していることへの意味を感じられない
・食欲がない
・性欲がない
・眠れない、過度に寝てしまう
・身体がだるい、疲れやすい
・頭痛や肩こり
・動悸
・胃の不快感、便秘や下痢
・めまい
・口が渇く など
これらのサインをご自身で感じられた場合には、専門家や周囲の人へ相談してみましょう。周りの方でこれらの項目に当てはまるような人がいる場合には、まずは話を受け止め、専門機関など信頼できる相談先を頼れるとよいでしょう。
●うつ病の治療法
休養をとること
うつ病の治療を考える前に、心身の休養がしっかりととれる環境を整えることが大切です。強いストレス源にさらされたままでは落ち着いた気持ちになることは困難です。ストレス源がはっきりしている場合はそうした環境から離れて過ごすことができるとよいでしょう。心身をゆっくりと休め、食事や睡眠が十分にとれる生活を送ります。
薬物療法
うつ病の治療法の一つが薬物療法です。主に使われる治療薬は抗うつ薬で、継続して服用することで効果を発揮します。すぐに効果が出るわけではないので、薬について不安に感じたり、抵抗感を感じたりする方もいるかもしれません。しかし、自分の判断で薬の量を調整したり、中断したりしてはいけません。薬を服用することへの不安感や抵抗感を感じている人もいるのではないでしょうか。そうしたときには、主治医に薬を服用することの不安感や抵抗感も相談しましょう。主治医とのコミュニケーションをとることは治療にとってとても大切なことです。自分の気持ちを伝えられるといいでしょう。
精神療法
精神療法には支持的精神療法と呼ばれる基本的な治療法に加えて、認知行動療法などより専門的な治療法があります。認知行動療法では自分の思考や考えを整理しながら、より適応的な考え方や行動をとることができるように話し合っていきます。
その他の治療法
その他のうつ病の治療法として高照度光療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法などが用いられることもあります。
●まとめ
うつ病についてどのような症状があるのか、治療法はどのようなものがあるのかご紹介しました。うつ病の症状からの回復には、家族や職場など周囲からのサポートも重要です。まずは周囲に調子がよくないことを相談してみましょう。ご自身や周囲の方でうつ病を疑うような症状の方がいたら一人で抱え込まずに、精神科や心療内科など専門家に相談することも大切です。