スマートフォンが普及し、誰でも手軽にゲームやSNSを利用することができる時代になりました。インターネットにアクセスすることが容易になった一方でスマホ中心の生活となり、ゲームやSNS関連のトラブルも増加しています。今回はWHO(世界保健機関)で新たに病気として分類されたゲーム障害についてご紹介します。ゲーム依存かも?インターネット依存ってなんだろう?そうしたことが気になる方はぜひご覧ください。
目次
・ゲーム障害とは
・ネット依存とは
・こんな人は要注意
・ゲーム障害・ネット依存の対策
・まとめ
ゲーム障害とは
WHO(世界保健機関)はゲーム障害について、国際疾病として正式に認定し、ICD-11(WHOが作成している国際疾病分類)に採用されました。ゲームが他の日常生活の活動よりも優先され、日常生活に支障があるにもかかわらずゲームをやめることができない状態が12か月以上継続しているとゲーム障害と診断される可能性があります。症状が重い場合は12か月未満でも診断されることがあるそうです。ゲームをやめることがコントロールできず、日常生活に困っている人はゲーム障害の可能性があります。ゲームをしている人の中でゲーム障害の影響を受けている人はごくわずかではありますが、ゲームをすることによって避けられている日常の活動やゲームをすることによっておこる身体的・心理的健康の変化には注意しておく必要があります。
ゲーム障害になると、脳はゲームに対して依存状態となり、理性をつかさどる脳の機能が低下していきます。アルコール依存やギャンブル障害同様の衝動的な欲求に襲われ、コントロールすることが難しくなります。
ゲーム障害によって起こる問題として、学校を欠席したり仕事を欠勤したりする、昼夜逆転する、物に当たる、家族に対する暴力、といったことが挙げられます。家族との関係悪化や退学・失職といった社会からの孤立も大きな問題です。
ネット依存とは
ゲーム障害と近い用語としてネット依存というものがあります。ネット依存とは、ゲームやSNSなどの使用について以下のような状態を指しています。
1. 過度の使用(時間感覚の喪失や基本的欲求の無視を伴うことが多い)。
2. ゲームやSNSを利用できないときに怒り、緊張、抑うつなどの感情を伴う。
3. ゲームやSNS利用により否定的影響(嘘、口論、成績不振、社会的孤立など)が生じる。
ネット依存か気になった方はインターネット依存度テストを参照ください。
IAT(インターネット依存度テスト) | 依存症スクリーニングテスト | 病院のご案内 | 久里浜医療センター (hosp.go.jp)
ゲーム障害やネット依存という言葉はスマホ中心の今の世の中で急速に注目されています。
こんな人は要注意
ゲーム障害やネット依存の兆候に気づくことが大切です。下記の項目が当てはまるなという方は注意が必要です。
・ゲームやインターネットなどの使用時間がかなり長くなった。
・昼夜逆転の生活になった。
・他のことに興味を示さない。
・ゲームやインターネットなどの使用について指摘すると過剰に怒る。
・課金が多い。
当てはまる項目が多い方は、ゲームやインターネットなどの使用によって日常生活への影響が表れ始めているようです。
ゲーム障害・ネット依存の対策
予防 ゲーム障害・ネット依存にならないために
・リテラシー教育を行う。
・利用時間を決め、制限する。
・ゲームやインターネット以外に充実した時間をつくる。
対策 ゲームやインターネットがやめられなくなったら
・やめられない背景を考える。
なにか嫌なことがあった、生活がうまくいかないなど没頭したくなる背景があるかもしれませんし、発達特性や精神状態からコントロールが難しい状態かもしれません。
・依存症治療ができる医療機関を受診する。
カウンセリングや入院などによる治療を受けてみるのも一つの方法です。
まとめ
ゲーム障害やネット依存はスマートフォンが普及し、近年注目されています。楽しくゲームができている状態であればよいのですが、日常生活に支障をきたした際には注意が必要です。ゲーム障害やネット依存が疑われる状態では家族とのトラブルが起こり、関係が悪化しがちです。家族で抱え込まず、まずは周囲の相談できる人や専門機関に相談してみましょう。