先日、ポルタに講師の方をお招きし、オープンダイアローグ(Open Dialogue)研修を受講しました。
講師の方は、名古屋市南区にある「相談支援事業所me」を営んでおられる竹内夫妻です。過去に、中日新聞でも紹介されておられました。
”開かれた対話”という意味をもつ”オープンダイアローグ”、みなさんはどこかで聞かれたことはあるでしょうか?
オープンダイアローグとは、精神医療の世界で近年注目を浴びている、フィンランド発症の治療法です。
治療法とはいうものの、オープンダイアローグの目的は、「治すこと」「変えること」「(何かを)決定すること」ではないという、逆説的・革新的なものなのです。
具体的には、入院や薬剤に極力頼らず、患者本人や家族、複数の支援者を交えて行われる独特な対話手法をとります。
安心・安全な雰囲気で、ご本人が「困りごと」を十分に語り、参加者は丁寧に聴き、そしてまた対話を続けることで、独自の道筋が見えてきたり、長年の症状が緩和されていくという効果もあるそうです。
今回はポルタのサービスをより良いものにしたいという思いから、スタッフ全員で体験型の講習に参加しました。
また、受講に先立って、以下の本を読みました。
マンガ形式で書かれており、非常にわかりやすい本でした。
まんがやってみたくなるオープンダイアローグ
医学書院,2021
今回の講習では、頭の先から足の先まで、「聞くこと」と「話すこと」に集中し、ヒトそれぞれの主観を交換し合うという、とても濃密な時間を体験できました。
講師の方いわく、今回はオープンダイアローグそのものではなく、「ミーティング」と呼ばれる形式を体験したということでしたが、それだけでも満足感や充足感を感じることができました。
オープンダイアローグでは、葛藤や意見の違いがあったとしても、その場にいる人々の多様な声を、衝突させることなく共存させる、という姿勢をとるようです。
多様性が重視される現代において、よりより人間関係を構築していく上でも、必須の姿勢のように感じました。
スタッフとして、ひとりの人間として、「対話の力」を磨いていく必要があると、強く感じました。
今後、オープンダイアローグの手法を、ポルタのサービスでどのように応用して提供できるか、スタッフみんなで検討していきたいと思います。
関連リンク
オープンダイアローグ夫婦のダイアロジカル生活ラボ(旧・相談室おうち)