ポルタでは、精神障害・発達障害でお悩みの方の就労生活を支援します。
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2021
9
7
認知行動療法プログラム

認知行動療法という心理療法をご存じですか?

 

認知行動療法とは、心の苦痛やつらい症状、問題行動などの幅広い精神保健上の問題を改善するために、考え方(認知)や行動にはたらきかける「対話型の心理療法」です。

 

ポルタでは、認知行動療法をベースとしたさまざまな心理プログラムを行っております。

 

その中でも今回は、毎週水曜日の午前中に実施している認知行動療法プログラムを紹介します。

 

このプログラムでは、「自分をつらくさせる認知(考え方のくせ)に気づき、現実に沿った柔軟な思考を身に着ける」ことを目的としています。

7月から始まったプログラムですが、受講を重ねることで、利用者様は

 

・自分はいつも「ごめんなさい」が口ぐせで、自分を責めやすい考え方をしていることに気づいた(自責思考タイプ)

 

・確かな証拠もないのに、悪い結果を先読みして不安になって動けない自分に気づいた(飛躍思考タイプ)

 

・自分のできていることは見ないで、できなかったところばかり注目して落ち込んでしまう傾向に気づいた(恣意的推論タイプ)

 

など、今までは無意識だったけれど、「自分をつらくさせる考え方」に気づいておられます。

そのうえで、

 

・落ち着いて考えて、良い感情を増やしたい

 

・自分をほめてあげれるようになりたい

 

・考え方が柔軟な人になりたい

 

など、認知行動療法を通して「なりたい自分」を目標に立て、考え方を柔軟にするトレーニングを行っておられます。

プログラムでは、利用者様の実体験を持ち寄りながら、参加された方々同士で柔軟な考えを出し合ったりするなど、お互いを支え合いながら学びを深めておられます。

担当スタッフは、プログラムの方向づけや意見のとりまとめなどを行い、利用者様主体での意見を大切にしています。

 

「自分をつらくする考え方のクセ」は、一概に「悪いもの」、「なくすべきもの」ではありません。

今までの人生経験を通して、ご本人が生き抜くために必要だった大切な生き方の一部であり、ご本人そのものなのです。

 

ですので、「自分をつらくする考え方」を否定するのではなく、さらに、

「今の自分をラクにする、より現実に沿った柔軟な考え方」も加えてできるようになることを目標としています。

つらい気持ちが少し和らいだり、少し前向きな考えが自分で生み出せるような、そんな姿を目指して…

 

 長い文章になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。

また、認知行動療法についてもっとくわしく知りたいという方は、以下のサイトをご覧ください。

認知行動療法活用サイト「心のスキルアップトレーニング」

最近では、様々な書籍も出版されており、幅広く活用されている心理療法です。

 

ポルタでは、プログラムの体験・見学を積極的に受け入れております。

興味をもたれた方は、ぜひポルタまで気軽にお問合せください。

2021
8
19
調理実習プログラム

ポルタでは、生活スキル獲得のため、調理実習をおこなっています。

今回のメニューは「チーズオムレツ」と「ピーマンの煮びたし」です。

どちらもレンジのみで調理できるものです。

オムレツの調理工程をご紹介していきます♪

卵1個、牛乳30ml、塩コショウをまぜて、

耐熱容器で1分加熱。

半熟状態になったら、ピザ用チーズを入れてさらに1分加熱します。

  

ラップの上に取り出したら、

キャンディ型に成形します。熱いので注意です。

これで、ちょうど一人分のチーズオムレツの完成です。

これを5人分作り、すでに作ってあったピーマンの煮びたしとトマトと一緒に盛りつけました。

いっさい火を使わないので焦げ付くこともなく、失敗知らずでとてもお手軽です♪

チーズも適度にとろけて、卵も柔らかく、おいしかったです。

普段召し上がっている仕出し弁当とあわせて、ボリューミィなお昼ご飯となりました。

ちなみに、過去の調理実習プログラムで作ったものを紹介します*

「レンジで作ったクレープ」。クレープ生地も、レンジで作れるとは…レンジの力は偉大ですね。

これもレンジで。やさしい味の「プリン」です。コーヒーといっしょに。

ホットプレートを利用して、「たこ焼き」。

みんなでワイワイひっくり返す作業が楽しかったです♪

   

利用者様自身が何を作りたいかネットでレシピ検索をするところから始まり、

レシピを書き出し、買い物、調理までをスタッフと一緒に行います。

利用者様が実生活でも「作ってみよう」と思えるように、楽しさや自主性を大切にしています。

 

 

 

 

 

2021
8
17
講演会のお知らせ

雨の日が続きますがみなさんいかがお過ごしですか?

 

さて、このたびポルタでは精神障害についての講演会を

開催することになりました。

 

就労・生活支援ポルタの理事長であり、心療内科・精神科みずほクリニックの院長でもある

松井輝夫が、産業医として、また、日々治療を行う上で見えてきた課題や支援のあり方について

お話し致します。

 

講演会案内

 

ご本人様だけでなく、ご家族様や支援機関様のご参加もお待ちしております。

 

申込は電話、メール、FAXにて受け付けております。

参加をご希望の方は、下記をご確認の上、申込いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

申込案内

2021
8
5
夏季休暇のお知らせ

夏季休暇のお知らせです。

就労・生活支援ポルタは、みずほクリニックの休診に合わせて下記の期間、閉所となります。

上記期間中は、お電話などもつながりません。ご迷惑をおかけいたします。

なお、8月16日(月)から通常営業となりますので、よろしくお願いいたします。

2021
8
4
施設内紹介

セミが元気よく鳴き、いよいよ夏も本番となってまいりました。

みなさま、暑さ厳しい中、体調はいかがでしょうか。

ポルタスタッフは元気いっぱい、笑顔いっぱいで利用者様と過ごしております。

今回は、ポルタの施設内を写真とともにご紹介していきます。

共栄ビル4階のエレベーターを上がって左手に、ポルタのロゴが目印の自動ドアがあります。

入ってすぐの、多目的室です。利用者様用のパソコンもご用意しています。

スタッフルームには全面に目線の高さにガラス窓があるため、利用者様と気軽にコミュニケーションもとれます。

こちらは相談室。閉鎖的になりがちな個室も、大きな窓もあるため明るい陽射しが入ります☀

メインの訓練室です。プログラムは主にこの部屋で行います。

こちらの部屋にも大きな窓があるので、とても開放感があります。

モノトーンを基調として、どの利用者様も落ち着いて過ごせるような雰囲気を大切にしています。

訓練室の奥には、ポルタ専用のトイレ。そしてパーテーションの奥には…

利用者様が一人でほっと休憩したり、軽く横になれるよう、ソファを設置しています。

共用の電子レンジ、冷蔵庫、キッチンがあり、簡単な調理実習を行っています。

コーヒー、お茶、お水などはセルフサービスでご利用頂け、ふわふわのカプチーノは好評です♪

 

7月1日にオープンしたポルタですが、施設内の設備を徐々に増やしております。

特に、利用者様目線で、「何を導入すれば利用者様の役に立つのか」を日々スタッフ間で検討しています。

 

2021
6
29
理事長 ご挨拶(設立の経緯)

ポルタは、私がいろいろな方たちと接し、語り合う中で、構想されました。
ポルタ(PORTA)ラテン語で“扉”。閉ざされているように見えても、勇気を出して、開けば“未来に、社会に”に繋がる扉。
私がこうあったらいいなあという思いが含まれた言葉です。

設立の経緯

私は精神医療に携わり、多くの患者さんと接してきました。いろいろな方の診療にかかわる中で、この疾患が医療の範疇には収まらず、その方の人生を大きく左右するものだということを日々実感して過ごしてきました。

人間はいろいろな要素で構成されています。心と体だけでなく、社会的存在(注)であることです。
(注):2300年前、アリストテレスが「人間は社会的動物である」との言葉を残しています。人は一人では生きいていけず、人間らしくいられるのは、自己そのものの存在ではなく、他者との関わり合いがあるからである。との意味です。

本来、人は健康な心、健康な肉体をもち、健康な社会的存在である事が望ましいのですが、残念ながら、ちょっとしたことでこれらは簡単に失われてしまいます。
我々、医療機関の人間は、損なわれた健康状態を治したいという患者さんの望みに可能な限り答えたいと思っていますが、近視眼的に、目の前の疾患治療に目が行き過ぎて、心と体にばかりに注力してきました。
そのあとの社会的存在であること取り戻すことがいかに大変なのかを知りながら、なかなか医療の枠組みではできることも少なく、忸怩たる思いをずっと感じてきました。

病気が少しばかりよくなったとしても、病気がきっかけで、仕事を失ったり、学校をやめたり、友人とも家族とも疎遠になったような状態では、元通りの健康になったとは言えないのです。

病院勤務(厚生連海南病院)時代、当時の仲間と、患者さんをいかに社会の中で生きやすい状態になるようサポートする体制ができないかと語りあい、その思いから2008年にみずほクリニック(心療内科・精神科)を立ち上げ、2015年にうつ病・気分障害の方を対象に復職支援を目的としたリワーク施設を作りました。
(私に多くの示唆を与えてくれた、当時の仲間の児玉直江師長は、この事業を目にすることなく、2013年に逝去されましたが、その思いは今でも私たちの中に刻み込まれています。)
リワーク設立のために、現在の師長、町田氏に出会い、その思い”社会参加をしたいと熱い思いを抱いても、切欠も、方法も、場所もなくて、途方に暮れて困っている方のためになんとかしたい”という思いから、医療から福祉に枠組みを広げ、うつ病・気分障害にとらわれず、種々の精神疾患を対象にした“就労・生活支援を目的”とする施設を立ち上げることにしました。

当該施設の名称は”ポルタ”。
利用者の方々に“未来に、社会に、明るい人生に”繋がる扉でありますようにとの思いを実現するために名付けました。

WHO(世界保健機関)はその憲章前文のなかで、「健康」を「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”(昭和26年官報掲載の訳) 
そう提示されているにも関わらず、この社会にはそれを達成するためのインフラが足りません。

それを実現するための一助となればと考えています。

理事長 松井 輝夫

〒467-0806 
名古屋市瑞穂区瑞穂通8-8 共栄ともえビル4F
地下鉄「新瑞橋」駅
2番出口より1分
市バス「新瑞橋」
10番停留所より1分